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第3回の企画制作部門は、アバンギャルドな作風から正統派青春映画まで、それぞれの監督が信じるスタイルの5本の作品が完成しました。評価の基準として、商業的な面白さも備えつつ野心を感じる作品に賞が贈られました。横浜聡子監督『ジャーマン+雨』は、その異様とも言えるキャラクターをエネルギッシュに描きつつ、一筋縄ではいかないストーリーを繊細かつ大胆に語るという離れ業をやって見せました。野心的で未来を感じる作品として賞が与えられました。女優賞と技術賞をW受賞した石井裕也監督『ガール・スパークス』は、主演女優・井川あゆ子演じるとぼけた女子高生の可愛らしい魅力と、計算された間が生み出す笑いが、広い客層に応えうる面白さとなっており、開放的なカメラワークが肉体としての彼女の存在感をスクリーン一杯に描き出したあたり、審査員の支持を得ました。宮本杜朗監督『フリフリ坊主』は、過去最も自由度の高い作品であり、でっち上げの上手さ、イマジネーションの面白さが一部の審査員に高い支持を得ました。 オープンコンペ部門では、斉藤淳監督の『手紙』が、シンプルでストレートな中に真正面からしっかりと痛みが描かれており、その逃げない姿勢への評価と次回作への期待を込めて最優秀賞が与えられました。土屋萌児監督『遭難夫婦』は、CGアニメーション全盛の時代、あえて影絵というアナログの意外性とユーモラスな動きが審査員の目を引き、アニメ部門最優秀賞が与えられました。奨励賞と男優賞のW受賞をした牛丸仁監督『星男−ザ・スターマインド−』は、男優・新津勇樹演じる単細胞ダメ男の一直線な魅力が、ベタを狙った演出の上手さとマッチし、審査員の笑いを誘いました。木駿一監督『その秋のために』は、気持ち悪さスレスレながらも不思議な爽やかさを残す異質な作風に一部の審査員から強く支持されました。遠藤協監督『写真をよろしく』は、ドキュメンタリー映画をどう審査するかという議論の対象となりましたが、見せ方における巧みな演出力・構成力、そしてシンプルに面白いという評価を得、奨励賞が与えられました。また、この時の議論により今後将来的に、CO2においてドキュメンタリー部門を設けるか否かの課題が生まれた事を付け加えておきます。



横浜聡子 監督 「ジャーマン+雨」

プレゼンター:大森康宏実行委員長のコメント
企画制作部門はいつも大阪市からお金を頂いて創っている訳なんですけれども、それぞれみなさん良い作品、すばらしい作品が出たと思います。この作品は、なんとも言えず不安定というかハチャメチャなところもあって、でもどこか1本筋が通っていて、俳優さんなどの使い方なども素晴らしいということでこの賞に決まりました。次々と何が起きるか分からないというワクワクするような映像だったと思います。そういう意味では最後に全員一致でこの作品に決まりました。おめでとうございます。

横浜聡子監督のコメント
先ほどのトークの時も少し申し上げたんですけれども、この不器用な作品に、…この不器用なところが賛否両論分かれるところだと思うんですけど、審査員の方の議論が目に浮かぶようなんですけど…、このような賞を頂きましてありがとうございます。観て頂いた皆さんもありがとうございます。スタッフの皆さんもありがとうございます。

橋詰和幸助監督のコメント
横浜と作品を創るのは2本目なんですが、話を頂いた時に、シナリオを読んだ時に、関西で撮影させて頂きたいなと思いまして、知り合いの城内君を頼って、ロケハンさせて頂いて、準備させて頂いて、東京のスタッフ7人と城内君の友人とCO2のインターンスタッフとで撮らせて頂いて…。インターンスタッフの皆さん、とても素晴らしい方たちで、本当にスタッフの技術と作品への愛情と自分の仕事へのプライドとで、とてもステキな作品になったと思います。



斉藤淳 監督 「手紙」

プレゼンター:阿部嘉昭氏のコメント

手紙は短い作品なんですが、モノクロで撮られて、しかも字幕を駆使してあっと驚くバイオレンスがずっと貫かれていると。1つの文法に乗っかった1アイデアの作品だという事はあるし、作品は非常に短かくもあったんですが、とてつもない物を持っているんじゃないかと僕も言いました。次回作が見たいなぁという事があって、特にぺッティングのシーンが人気があった。おめでとう。

斉藤淳監督のコメント

ありがとうございます。上映のみならず賞まで頂きましてありがとうございます。また良い作品をつくりたいと思うのでまた見て下さい。ありがとうございました。



土屋萌児 監督「遭難夫婦」

プレゼンター:相原信洋氏のコメント

こういう影絵アニメーションは戦前よく作られたんです。アニメーションというモノに生命を与えるとか万物に動きをつけるという意味から言うと素朴な作りなんですが、暖かさというか、色を含めて暖かい感じがよく出ている。僕ら今の技術で見た時に、アニメーションの原点のイメージが膨らむという意味でとっても良い作品じゃないかと、この作品を選びました。
5本くらいで結構ヤバくなる。でもどこかに楽しいとか前向きとかがあった時に、そこからまた行く。そういうのを当たり前に行かないと。いろんな理由で辞めちゃ駄目なんだよ。そういう意味で、最初作った時と同じように楽しいとかちょっと実験してみるとか。こういう作品はカリグラフみたいに見える時がある。君の実験的なところが出ているからこういう実験的な精神を忘れないで、古い手法を忘れないでもう一度甦らせていくという事は素晴らしい事だから忘れないで。

土屋萌児監督のコメント

ありがとうございます。制作していたのが夏の7月ぐらいで、家の押入れで制作していたんですが、非常に汗もが足に出来てしまいました。賞を貰えて良かったです。ありがとうございます。



牛丸仁 監督
「星男−ザ・スターマインド−」

プレゼンター:いまおかしんじ氏のコメント

単純に、非常に娯楽性があっておもしろくて、審査の間でも何度も話題になった作品で、審査したそれぞれの方が支持していた作品だと思います。


主演・新津勇樹氏(監督代理)のコメント

監督はよくご飯を食べさせてくれる人で、朝現場に到着すると必ず「新津君、ご飯食べた?」と、必ずご飯をご馳走してくれて、30分とか1時間とか現場に遅れる場合も「新津君、僕が現場に着くまでとりあえずご飯を食べてて」と、とにかくご飯を食べさせてくれる監督でした。あと、撮影期が2週間とカツカツだったんですけど、みんな緊張している中でも監督はマイペースな方だったんで、現場は良い雰囲気で出来たと思います。

遠藤協 監督 「写真をよろしく」

プレゼンター:いまおかしんじ氏のコメント

今回、作品って普通はいわゆる作り物というドラマが多いんですけど、その中でドキュメンタリーを送ってきたっていうことで、人柄がにじみ出ていて、良い人なのかなとみんなで話していて、奨励という形ですけど、選ばせて頂きました。

遠藤協監督のコメント

良い人と仰って頂いたんですけど、ドキュメンタリーは悪人でないと作れないところがありまして、なかなか戦略を練って人の面白そうなところを引っ掛けて撮れたという形ですね。あまり良い人という訳ではありません。


プレゼンター:いまおかしんじ氏のコメント

非常にインパクトがあるというか気持ち悪い映画だったと思うんですが、審査の空気が緩むとこの作品の話が出てきてみんなの議論になると。分からないけれど変な魅力があると。オリジナルな感じがあったので選ばせていただきました。



ありがとうございます。この作品は2005年の作品で、僕が専門学校に通っていた時の作品です。撮影日数も足りない中で、海のロケも日帰りで大人数で移動したりと、本当に撮影は大変な作品でした。今回このようなところで発表できたことを嬉しく思います。ありがとうございました



新津勇樹
「星男−ザ・スターマインド−」

プレゼンター:日向寺太郎氏のコメント

星男というハチャメチャな映画の魅力の大きな点は、新津さんの人を喰ったような圧倒的な存在感によるものが大きいと思います。主演の役者というのは映画の出来を左右するぐらいの大きな生命線です。今回の映画はどの作品も素晴らしい役者さんが出ていたと思います。その中での受賞をどうか誇りに思って、次回作にのぞんで下さい。おめでとうございます。

新津勇樹氏のコメント

作品に続いてこのような男優賞を頂いてありがとうございます。監督からはとにかく「新津君、賞は貰ったけど賞金は出ない」と言われていたので、ちょっと「あれっ」と思っていたのですが、副賞を結構良いのを頂いて、ありがとうございます。この僕が選ばれたのは演技力というより結構裸のシーンが多かったので、肉体が評価されたかなと思っています。結構絡みのシーンがあって、全て裸でやってました。そういうのが結構面白さにつながったのかなと思っています。どうもありがとうございました。



井川あゆこ「ガール・スパークス」 

プレゼンター:いまおかしんじ氏のコメント

ちゃんと「映画の中に生きていた」というか、非常に魅力的なキャラクターで、まぁ作品との相性とか色んな事の出会いとかあると思うんですが、この時点の今しかないという感じの魅力が非常に映画の中に息づいていて、みんなの意見も一致しました。おめでとうございます。

井川あゆこ氏のコメント

ありがとうございます。撮影はずっと泊り込みだったんですが、冬だったんで凄いメチャクチャ寒い中、一日みんなで外で撮影したりとか、私は表情が全然豊かではないので、変な顔をしたりとか怒った顔をしたりとかなかなか出来ずにいたんですが、だんだん「女」を捨てれるようになれまして、毎日撮影が楽しくて皆さんと頑張ってきたので、すごい嬉しいです。「ガール・スパークス」と出会ってすごい自信にも繋がったので、これからも頑張って行きたいと思っています。本当にありがとうございました。



石井裕也 監督組スタッフ
「ガール・スパークス」

プレゼンター:合田健二氏のコメント

受賞おめでとうございます。技術賞という事なんですけども、この映画祭でご覧になった皆さんもお分かりかと思いますが、どの作品も非常に技術が、プロの目で見てもほとんど(プロと)一緒やないかと。むしろ(プロが)負けてるんちゃうかというような作品があるくらいで。応募作を含めて「技術が高いな」というのが印象なんですが、でも「ガール・スパークス」は非常にバランスが取れているというか。技術が凄いなという作品は結構あったと言いましたが、逆に、「技術が凄いなと思われると映画」としてはある種破綻しているというか、極端に破綻しているものだとそれはそれで魅力があるんですけど、どこかで「カメラは良いけど演技が」とか逆に「演技は良いけどカメラが」とか「音楽は良いけどその他が」とか、ちょっとバランス感覚に欠けている作品が多かった中で、「ガール・スパークス」は本当に技術的にも高い技術ですしストーリーや演技が凄くスッと入ってくる、素晴らしい出来だったんじゃないかと思います。

石井裕也監督のコメント

ありがとうございます。技術賞という事でありがとうございます。

中村祐介助監督のコメント

映画というのは作る上でキツイとか辛いとか当たり前なので、頑張ったからどうこういう訳ではないんですが、こういう賞を頂けるのは大変ありがたい事なので、これからも日々頑張っていきたいなと思います。ありがとうございます。



宮本杜朗 監督「フリフリ坊主」

プレゼンター:康浩郎氏のコメント

砂漠の向こうに大阪があるという流れの作品で、そこへ向かうまでの放浪そのものがこの作品の全てだと思います。そういう意味では、強く言いたい事があるというような作品ではないですが、映画にはロードムービーというジャンルもある事は皆さんご承知の通りで、宮本流ロードムービー。こういう映画もあっていい。CO2ではこういう映画もちゃんと受け止めてこれからも監督達にチャレンジして貰いたいという意味で、私のほうから賞を差し上げたいと思った次第であります。

宮本杜朗監督のコメント

こういう賞があった事を知らなかったです。何か映画を作って賞を貰えるという事は、スタッフとか出てくれた人たちに少しでも恩返しになると思うんで、単純に嬉しいです。












※最終審査に参加された方のみ、コメントを頂きました。

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