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1次審査は、4名の審査委員の方々に応募があった全31作品と企画書をご覧頂き、各委員より推薦という形でそれぞれに数本選んで頂きました。
印は助成監督に決定した方です。


日向寺太郎
(映画監督)
石井裕也『剥き出しにっぽん』
話としては、荒っぽく無理な点が見られるが、独特の映像センスとユーモアを持っている。

小澤雅人『hard cold greenhouse』
現代社会が抱える問題に、真摯に向き合おうとする姿勢に共感を持った。演出力はしっかりしているが、こちらの想像力を裏切るエピソードがなかったのが残念。

岡太地『トロイの欲情』
出品作品中、最も力があると思った。この作家は、どうしても表現せざるをえないものを持っている。そのことは、全編アップで通した息詰まるようなスタイルにも表れている。この初心を忘れないでほしい

いまおかしんじ
(映画監督)
石井裕也「剥き出しにっぽん」
よう子ちゃんが可愛い。登場人物をチャーミングに描ける人は信用できる。企画も、ネジ作りに没頭してしまう冴子が可愛い。

浅川周「とけて、まざる」
シンプルに殉じてるのがいい。感情を撮れる人。企画は、ユーレイもので、いつかどこかで見た何か。もう一考して欲しい。

岡太地「トロイの欲情」
ヨリとフカンしかないので驚いた。後半、男の子が暴走していく過程にオリジナルを感じた。笑える。企画も変な魅力がある。見てみたい。

宮本亮「柳は緑花は紅」
※丁寧に人物を撮っているのが好感持てる。シニカルな視点は誰にも真似できない。企画のメ家族が分からないモという所にこだわりを感じた。

伊藤康弘「ハートに火をつけて」
独特のセンスを感じる。ハードボイルドな何か。企画もカッコイイ。

川原康臣「おわりはおわり」
退屈だが時々もの凄く緊張感のあるシーンがあって、惹きつけられる。企画も、牛乳の匂いをかぐところ良かった。

佐野雄希「MONSTERS HIGH」
ストレートでムダのない描写がいい。企画は雰囲気だけで、よく分からない。

松野泉「GHOST OF YESTERDAY」
丁寧。長いのによく息が続く。企画も堂々としてる。

草川弘之「チャリtwo」
自転車へのこだわり。中学生の童貞感がいい。企画も。

高木駿一「その秋のために」
気持ち悪さが魅力。企画も。

松村厚
(第七藝術劇場
支配人)
石井裕也「剥き出しにっぽん」
第1回CO2映画祭オープン・コンペ奨励賞を受賞した「ラヴ・ジャパン」の監督の企画作品ですが第1回の選考に携わった際に賛否両論に分かれた記憶がありますが決して映画的に旨い印象は無かったですが神経を逆撫でするようなざらついた作品の印象があります。今回の企画もそうした肌触りで撮ると何か面白いものになりそうな予感が致します。

松野泉「GHOST OF YESTERDAY」
今回読ませていただいた企画書の中で一番面白かったのがこの作品です。フェイクドキュメンタリーを扱いながらも一種のホラー仕立ての家族ものという様々な映画のジャンルを横断しそうな感じでした。参考作品を見せていただいた感じでもこうした企画を映画として成立させる力量はあると思います。

浅川周「とけて、まざる」
この監督には思い入れがあります。「シネトライブ2003」で監督賞に選出し、その後、「赤を視る」を当館でレイトショー上映致しました。とにかくこの監督は登場人物のしぐさ、身振りで感情を表現するのが巧く、人物(特に少女)を実に魅力的に撮れる人です。画の切り取り方が的確で実に映画的感性に溢れているように思います。特に野外での人物の配置や動かせ方、申し分ないカメラポジション。とにかく私は彼の映画が大好きです。参考作品も僅か36分で見事というしかないです。人物を映画の中で息づかせる。あえて難点を挙げれば参考作品も企画作品も「赤を視る」同様の男女(女女)の小さな関係の中でだけ収束し、悪く言えば同工異曲になっていることでしょうか。しかし、もっと広がりのある脚本に出会って撮れば、現在ヒットしている西川美和「ゆれる」のような作品を撮れると思います。

岡太地「トロイの欲情」
企画書に惹かれるものがあり、参考作品を見ましたが、そのエロさがうまく発揮できれば面白いものになるような気がします。 

合田健二
(映像作家)
松野泉「GHOST OF YESTERDAY」
○参考作品について
カメラ、演技、編集、どれをとってもプロ並み よくできている
敢えて難を言うなら、30分ぐらい見続けた時点で、うまさや真面目さ、センスの良さは伝わるが、個性や面白さは伝わってこない気もする
全編見てもらえるとは限らないという意識があるか?

○企画について
今風のリアリティ番組などをモチーフにしている気がするが、手法としては昔からあるアイデアしかし、その中でサイコサスペンス的な要素がエンタテインメントを感じさせるので、そのあたりを緩急をつけたテンポで仕上げられることを期待

岡太地「トロイの欲情」
○参考作品について
カメラ、演出、演技が実験的な構成の中で見事に息づいている
それらに比べると若干シナリオが弱い気もするが、それを気にせずに見させる力がある

○企画について
参考作品よりも、一般的なドラマのエンタテインメント性が見られる
作者のタイプからすると、どういう演出でどう撮るかが気になるところ
アップの積み重ねの手法で撮るストーリーではない気はする

岸建太郎「朝に見た夢見た朝に」
○参考作品について
作者が演劇出身ということもあり、その色が色濃く出ている
映画的なものの外からのアプローチは、今回のラインナップの中では
刺激的で興味深い(斬新さには欠けるが)
乱雑に見えるが、実はスキルと構成力があるように見受けられる

○企画について
参考作品にも通じるカオス的面白さがある
演劇的な演出と方法論をどこまで「映画」にできるか、かつ、それでいて「映画的」ではないものにできるかが勝負どころ
参考作品では、そのあたりを実験的手法で力技でまとめ(?)ているが、もう一度その方法が効くのか見てみたい

宮本杜朗「石売れず」
○参考作品について
70年代実験映像の雰囲気をもちながらも現代性のようなものを感じさせる作品
混沌としているようだが、自分のセンスに自身を持ちながら冷静に破綻のバランスを作り上げているうまさがある
だが、それは基本的には非常に少ない層にしか伝わらない面白さといえる

○企画について
参考作品よりも象徴的な寓話
どのようなテイストで完成させるか興味深い
鑑賞者との関係に何を求めているかがわからないところに不安は残る

長良 将史「M?N」
○参考作品について
面白いシーン、魅力的なシーンは随所に見られるが、いかんせん、見てもらおうという気持ち以前に、無理はしないで妥協しているのが見受けられる
いいシーンと、ダメなシーンの差が顕著
その正直さが映像に出ているところが現代的で興味深いところではあるが

○企画について
参考作品とおなじような出来上がりになってしまう可能性が高い
が、気合いとコントロールでデビッドリンチ的な域に持っていけるかも

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