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CO2上映ディレクター 富岡邦彦

 まずは、まだ始まったばかりの実験的なCO2エキジビジョンの公募に数多くの方が応募いただいてありがとうございます。このCO2で進められる助成システムの中で今後、新たな日本のインディペンデント映画の可能性を見いだせればと思っています。なにせこのCO2は単に助成金をお渡しするのではなく自主制作映画あるいは低予算のインディペンデント製作の可能性を皆様と一緒に探る「場所」作りが最大の目的の一つです。今回応募いただいた方々にどれだけこの主旨が本当に伝わっているのかは説明足らずもあり、まだ議論するべきところも大いにあります。

 CO2は単に自主制作の作品と企画を集め、審査員が優れた作品を決定し、単純に製作資金を助成するのが目的ではなりません。現在、日本映画の殆どがインディペンデント映画だと断定してもいいでしょう。そして映画の観客は決して殖えているというわけではありません。しかし一方でデジタル・カメラの普及とパソコンの普及によって映像で何かを製作する方は老若男女に限らず増殖しています。しかしこれらが「映画」なのかどうかは非常に微妙な問題です。これを機会に「映画」とはいったいなんなのか、あるいは何だったのか、そしてどうなるのかを考え議論する「場所」にもなればと思います。

 そして、すでに大阪から発信の映画は世界的にも認知されつつあり、偶然にもこういった試みが東京ではなく大阪からスタート出来るのには奇妙な感慨があります。ここからますます優れた映画作家が育っていくことを大いに期待しております。

 41本の公募作品からまず選考に残った作品は10作品ですが、これらの10本はどれもがこのCO2の今後の方向性を示す重要な10本です。
 選考の基準は、三つのポイントで考えます。まず一点は「過去の代表作品の完成度」これは単に技術的なものではなく作家としての力だと考えます。荒削りではあっても文章力がなくてもそれは大きなマイナスにはならないはずです。まだ未完成であはるがなにかうごめくビジョンを感じさせてくれるものが重要だと思っています。
 そして第二点は「提出された企画書力と可能性」。これは企画書そのものの「面白さ」だけではなく。それが映像化された時の可能性を含むものです。映画作家の仕事は文字を書くものではありません。大作映画であれ小さな作品であれ、ある「瞬間」これは「映画」以外の何物でもない!と感じさせる瞬間があるはずです。それを文脈から思い起こさせてくれる心躍らせる企画が重要です。

 そして第三点目は、「来年の2月までの完成させる可能性と製作体制」です。この点に関しては今回は企画の立ち上げから約三ヶ月というかなり短い期間で優れた作品を完成させていただかねばならないとう足枷があり、この条件を十分に満たし得る方に撮っていただかなければなりません。CO2の事務局は大阪にありますが、基本的にはどこからでもこの企画に参加してちあだけるようにならねばならないとは考えております。それはこちらのバックアップの体制に適った方という点も重要視しなければならないでしょう。そういった意味で今回は多少、関西圏以外の方に少し不利な点があることは否めません。それはスタートさせた我々としてもバックアップをする上で「今、インディペンデント映画(自主制作映画)」に何が必要かという点を今後に向けて認識する「場所」にもならなければならないからです。

 そして最後に上映ディレクターを兼任する立場としてはトータルで選ばれる5作品は2月14-15日の上映に向けてジャンルとしても各種バランスのとれた選択に出来ればと考えております。私はこれらの選択はある意味でプログラムピクチャー的な選択だと思っております。助成した作品が、既に決定した上映日に向けて製作されるわけですから、言い換えればすでに公開が決定しているというあまり「自主制作映画」では過去にありえなかった不自由な映画製作をしていただくということなのです。この不自由さは非常に重要なキーワードです。映画は一見自由なものであるという認識がありますが、実際に製作をするとこれほど「夢」とはかけ離れた不自由な創作活動はありません。この不自由さの現実の中でどうやってささやかな自由を獲得することが出来るのかというのが映画の製作をする喜びでしょう。その不自由さを自覚した上で果敢に挑戦していただく勇気ある方々が選考されるべきだと言えるのではないでしょうか。

 以上の観点からまずは選考委員会で7作品に絞り込み、その後一時間及ぶ面談(関西圏外の方は電話での対話)を行なった結果、5作品を最終決断するに至りました。出来上がった作品を見てこの5作品を選択して良かったと思えれば幸いです。
それが出来る選択だと確信していますので選ばれた方はどうぞ宜しくお願いします。


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