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大森
康宏(国立民族学博物館教授)
・企画意図と作品のストーリーがつながらない。「本当の愛を表現し
たい」と言っているが、本人は愛を経験していないのではないか。
・「純な恋」とあるが、それは一体どんなものなのかわからない。
太田 米男 (大阪芸術大学芸術学部教授)
【過去の代表作品】
こじんまりして、好感が持てた作品。無機的な動きから哀歓が生まれるという意図も伝わる。ただ、その意図が読まれる難点はあった。
【企画作品】
オカルト的でコミカルなドラマを目指しており、参考作品を見れば、軽妙な喜劇になるかも知れないと期待させるが、企画書としては整理されていないため、物語だけの説明で、何が訴えたいか伝わりにくい。テーマは一言、ストーリーはスムーズに説明出来ないと、まだまとまっていないと判断される。
黒沢 清 (映画監督)
過去の代表作品『叩く女』は面白くなりそうなネタなのだが、どうもいまいちだった。結局人情ばなしに収束してしまったところが残念。それと、叩くならもっと本気で叩かないと。企画は「夕日をながめに行きたくなるような映画」という一文が大きなマイナス・ポイントとなってしまった。
松村 厚 (第七藝術劇場支配人)
過去の代表作品は叩き続ける女というワンアイディアは面白いがラストが青春映画というのがどうも私には感心しなかった。もうひたすら意味なく叩き続けて欲しかった。やはり青春組み立て式キットだからかなと思わせる。次回作を短期間で完成させる製作体制があるという点では可能性があると思う。
富岡 邦彦 (プロデューサー/PLANET+1代表)
過去の代表作品の「叩く女」はこの作者が新たな方向性を見出した短編ですでに評価されはじめたものです。中盤にCGや字幕を使って物語展開の重要なポイントをさけてしまったのが残念です。現代的なテーマ性をはらんだ題材でしたが作者がそれをどれだけ意識したかは疑問が残ります。ただし逆にそういった現代的なテーマ性に自覚的でなかった点がこの作品を成功に導いたのではないでしょうか。 今回の企画は最初は「幽霊ツアー」というものでした、これは作者がこれまで製作してきた集大成で「解りやすい娯楽性」を目指すものでしたが、面談の中で新に出てきた企画が前作の延長線上にあり、その上で現代的なテーマ性をはらんだ企画に変更することになりました。これは作者が前作で見出した新たな可能性を十分に感じさせるものであります。 完成させる可能性に関しては作者の年間数本を製作しているという量産体制と上映への熱心さも含め助成するにふさわしいと思われます。自主制作の作家にとってコンテストに出して受賞するというのは手段ではありますが、これだけ長く製作から上映まで続けることは至難なことです。そして今回助成を受けて作者が方向転換する大きなきっかけになりえる可能性を十分に感じさせられます。
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